
「最近の入居者はどんな設備を求めている?」
「空室対策として宅配ボックスやインターネット無料を導入した方がいい?」
「設備を増やせば家賃を上げられる?」
賃貸物件の設備は、入居者が物件を比較するときの重要なポイントのひとつです。
2026年9月現在の最新調査を見ると、エアコンに加えて、高速インターネット、オートロック、宅配ボックス、独立洗面台などが注目されています。
ただし、
人気ランキング上位=自分の物件にも導入すべき設備とは限りません。
単身者向けかファミリー向けか、家賃帯、築年数、駅からの距離、周辺の競合物件、現在の空室原因などによって、設備投資の優先順位は変わります。
大切なのは、
人気設備を知る
↓
自分の物件のターゲットを確認する
↓
周辺の競合物件と比較する
↓
導入費・維持費と効果を考える
↓
必要な設備だけ改善する
という順番です。
この記事では、2026年9月時点で確認できる最新調査をもとに、入居者に求められている設備と、賃貸オーナーが設備投資を判断するときのポイントを解説します。
2026年の賃貸で注目したい人気設備は?
まず最新調査です。
全国賃貸住宅新聞が2025年に発表した「入居者に人気の設備ランキング2025」では、「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」設備について、単身者向け・ファミリー向けで次のような結果となっています。

ここで重要なのは、これは全国の調査結果であり、板橋区の設備ランキングではないということです。
また、調査によって質問・対象が異なるため、順位だけで設備投資を決めないようにしましょう。
「ないと不利な設備」と「あると差別化しやすい設備」は分けて考える
設備を考えるときは、すべてを同じ「人気設備」として考えない方が分かりやすくなります。
大きく、
① ないことで比較から外れやすくなる設備と、② あることで競合との差別化を検討できる設備に分けてみましょう。
①ないことで不利になりやすい設備
代表的なのがエアコンです。
全国賃貸住宅新聞の2025年「この設備がなければ入居が決まらない」ランキングでは、単身者向け・ファミリー向けともにエアコンが1位でした。
ほかにも物件の条件によって、
- ☑室内洗濯機置き場
- ☑TVモニター付きインターホン
- ☑温水洗浄便座
- ☑基本的な収納
などは、周辺競合との比較で確認しておきたい設備です。
②あることで差別化を検討しやすい設備
一方、
- ☑高速インターネット無料
- ☑オートロック
- ☑宅配ボックス
- ☑独立洗面台
- ☑浴室換気乾燥機
- ☑追いだき機能
- ☑システムキッチン
などは、物件によって競合との差別化につながる可能性があります。
ただし、建物構造や工事費によっては導入コストが大きくなるため、人気だけで判断するのではなく費用対効果を確認する必要があります。
単身者向け物件で注目したい設備
単身者向けでは、特に、
☑インターネット
☑防犯
☑荷物の受け取り
☑水回り
の4つに注目してみましょう。
※高速インターネット・インターネット無料※
2025年の全国賃貸住宅新聞の調査では、「高速インターネット(1Gbps以上)無料」が単身者向けの付加価値設備1位となりました。
これまで人気だった「インターネット無料」から一歩進み、無料かどうかだけでなく通信環境の質も比較材料になっていることがうかがえます。
※オートロック・TVモニター付きインターホン※
防犯設備も引き続き確認したいポイントです。
オートロックは同ランキングで単身者向け2位。
また、アットホームが2026年に公表した「新社会人の一人暮らしにおすすめの設備」では、モニター付きインターホンが2位となっています。
ただし、既存の小規模アパートなどではオートロックの新設に大きな工事が必要になることもあります。
その場合は、TVモニター付きインターホンや防犯カメラなど、物件に合わせて改善方法を検討します。
※宅配ボックス※
ネット通販を利用する入居者にとって、宅配ボックスは便利な設備です。
アットホームの2026年調査では、新社会人の一人暮らしにおすすめの設備1位が宅配ボックスでした。
単身者は日中不在になるケースもあるため、荷物を受け取りやすい環境は物件選びの比較材料になり得ます。
※独立洗面台・浴室乾燥機※
全国賃貸住宅新聞の付加価値設備ランキングでは、単身者向け5位に独立洗面台、6位に浴室換気乾燥機が入っています。
特に同じ駅・同じ家賃帯・同程度の築年数の物件と比較したとき、水回り設備が選ばれる理由になることがあります。
※ファミリー向け物件で注目したい設備※
ファミリー向けでは、
☑防犯
☑インターネット
☑家事効率
☑水回り
を確認したいところです。
※オートロック※
全国賃貸住宅新聞の2025年ランキングでは、ファミリー向けの付加価値設備1位がエントランスのオートロックでした。
ただし、防犯性はオートロックだけで決まるわけではありません。
TVモニター付きインターホン、防犯カメラ、共用部の見通しや照明など、建物全体で考える必要があります。
※高速インターネット無料※
ファミリー向けでも高速インターネット無料は2位です。
家族それぞれがスマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機などを同時に使用する場合もあるため、通信環境の質を確認する意味は大きくなります。
※追いだき機能※
ファミリー向け5位には追いだき機能が入っています。
家族で入浴時間が異なる世帯では使いやすい設備です。
※システムキッチン・収納※
ファミリーでは自炊や家事をする機会も多いため、キッチンの使いやすさや収納量も比較材料になります。
ただし、大規模なキッチン交換は費用も大きくなりやすいため、「人気だから交換する」のではなく、既存設備の状態や周辺競合との違いを確認して判断しましょう。
単身者とファミリーの違いを整理
| 視点 | 単身者向け | ファミリー向け |
|---|
| 通信 | 高速ネット・ネット無料 | 高速ネット・ネット無料 |
| 防犯 | オートロック・モニター付き インターホン | オートロック・防犯設備 |
| 荷物 | 宅配ボックス | 宅配ボックス |
| 水回り | 独立洗面台・浴室乾燥 | 追いだき・浴室設備 |
| キッチン | 間取り・家賃帯による | システムキッチン等 |
| 収納 | 限られた空間を使いやすく | 家族分の収納量を確認 |
ただし、
「1Kならこれ」「2LDKならこれ」と機械的に決めるものではありません。
同じ1Kでも、
駅徒歩3分・築浅・高家賃帯の物件と、駅徒歩15分・築30年の物件では比較される競合が違います。
設備も誰に、いくらで貸す物件なのかから考えることが重要です。
インターネット無料は「無料」だけで判断しない
以前は、「インターネット無料」そのものが大きな付加価値になっていました。
現在も無料で使えるメリットはありますが、最新ランキングでは「高速インターネット(1Gbps以上)無料」が単身者向け1位になっています。
つまり、これから設備投資をする場合は、
無料か + どのような通信環境なのか まで確認したいところです。
集合住宅では、
- ・建物までの回線
- ・建物内の配線方式
- ・契約サービス
- ・各戸までの接続方法
- ・同時利用時の混雑
- ・Wi-Fi機器
などによって、実際の利用環境が変わります。
「最大1Gbps」と表示されていても、その速度が常に出るという意味ではありません。
導入前には、サービス内容や建物の配線方式、利用条件、保守対応などを確認しましょう。
募集広告でも「インターネット無料」だけでなく、確認できる範囲で通信環境を分かりやすく伝えることが大切です。
宅配ボックスは既存物件の差別化候補になる?
宅配ボックスも検討しやすい設備のひとつです。
LIFULL HOME'Sが2025年6月掲載物件を調査したところ、賃貸マンションの約7割は宅配ボックスなし、築30年超では9割が宅配ボックスなしでした。
つまり築年数の経った物件では、まだ設置されていないケースも多くあります。
ただし、
- ・設置スペース
- ・ボックス数
- ・荷物の大きさ
- ・管理方法
- ・オートロックとの関係
なども確認する必要があります。
「宅配ボックスあり」という表示だけを目的にせず、実際に入居者が使いやすい設備になるかまで考えましょう。
設備投資は「人気ランキング」ではなく4段階で考える
オーナーが設備投資を考えるときは、次のように整理すると分かりやすくなります。
① ないことで不利になっていないか
まず、競合物件には当たり前にあるのに自分の物件にはない設備を確認します。
ここを改善する方が、豪華な設備を追加するより優先度が高い場合があります。
② 競合との差別化になるか
次に、
その設備を追加すると「この物件を選ぶ理由」が増えるかを考えます。
同じ駅・家賃帯・間取りの物件を比較して確認しましょう。
③ 家賃・空室期間への効果を期待できるか
設備によっては家賃設定を見直せる可能性があります。
一方、設備を追加したからといって必ず家賃を上げられるわけではありません。
家賃を上げる場合は、設備導入後の物件が周辺相場の中でどの位置になるか確認する必要があります。
④ 導入後の維持費まで負担できるか
設備には導入費だけでなく、
- ・修理費
- ・交換費
- ・月額利用料
- ・保守費用
などが発生する場合があります。
導入時の価格だけで判断しないことが重要です。
設備投資する前に確認したい5つのポイント
設備を追加する前に、最低限次の5項目を確認してみましょう。

設備を増やせば空室が埋まるとは限らない
空室が続くと、
「宅配ボックスを付けよう」
「インターネット無料にしよう」
「リフォームしよう」
と設備に目が向きがちです。
しかし空室の原因は設備だけではありません。
たとえば、
- ・家賃
- ・初期費用
- ・募集条件
- ・写真
- ・募集ページ
- ・立地
- ・間取り
- ・内装
- ・設備
- ・管理状態
など、複数の要素があります。
問い合わせ自体が少ないのであれば、設備ではなく募集条件や掲載方法に問題があるかもしれません。
内見は多いのに申込みにならないのであれば、室内の状態や設備が比較で負けている可能性もあります。
したがって、
空室
↓
設備追加
ではなく、
空室
↓
どこで入居希望者が離れているか確認
↓
原因を特定
↓
必要なら設備を改善
という順番で考えることが重要です。
設備以外も含めた空室対策については、「板橋区で空室が埋まらない理由|決まらない物件の共通点と改善策」も参考にしてください。
家賃を下げる?設備を追加する?どちらが先?
これも一律には決められません。
たとえば家賃8万円の物件で設備投資をする場合、
・その設備によって空室期間を短縮できそうか
・家賃を維持できそうか
・競合より選ばれやすくなりそうか
を考えます。
一方、周辺の類似物件が7万円台なのに、自分の物件だけ8万円台後半で募集している場合は、設備追加より募集家賃の見直しが先になる可能性があります。
逆に、家賃は相場内なのに、
「競合には独立洗面台がある」
「競合には宅配ボックスがある」
「自分の物件だけモニター付きインターホンがない」
という状況なら、設備改善を検討する意味が出てきます。
大切なのは、
家賃か設備かを先に決めるのではなく、競合との差を確認することです。
板橋区の賃貸物件では「全国ランキング+周辺競合」で考える
全国ランキングは、設備ニーズの大きな傾向を知るには便利です。
しかし、板橋区の物件にそのまま当てはめることはできません。
板橋区には、
- ・都営三田線
- ・東武東上線
- ・JR埼京線
- ・東京メトロ有楽町線・副都心線
など複数の沿線があり、駅によって物件の特徴や家賃帯も異なります。
そのため実際に設備を検討するときは、
同じ駅・近隣駅
+
近い駅徒歩
+
同じような間取り
+
近い築年数
+
近い家賃帯
まで絞って競合物件を比較することが重要です。
たとえば全国ランキングで人気の設備でも、周辺競合のほぼすべてに付いているなら「差別化設備」ではなく「比較で不利にならないための設備」になっている可能性があります。
反対に、競合で導入が少ない設備なら、物件を選ぶ理由になる可能性があります。
設備の見直しは管理会社に相談できる?
管理会社によって対応範囲は異なりますが、空室時の募集状況や周辺競合を踏まえて、募集条件や設備改善について提案する会社もあります。
設備投資を検討するときに重要なのは、
「何を付けましょうか?」ではなく、「なぜその設備が必要なのか?」を説明できることです。
たとえば、
「この設備が人気だから」ではなく、「同じ駅・同程度の家賃帯の競合10件を見ると○○が多く、自社物件はそこが弱い」というように比較できれば、設備投資の判断もしやすくなります。
管理会社の業務について詳しく知りたい方は、「賃貸管理会社は何をしてくれる?管理業務と自主管理との違い」も参考にしてください。
板橋区で設備投資・空室対策に迷っているオーナー様へ
人気設備ランキングを見ると、
「あれも付けた方がいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、設備投資で重要なのは設備の数ではありません。
人気設備を知る
↓
想定入居者を確認する
↓
周辺競合と比較する
↓
費用対効果を考える
↓
必要な設備だけ改善する
という順番で考えましょう。
株式会社くみん不動産では、板橋区を中心に地域密着で賃貸仲介・賃貸管理を行っています。
板橋区内の店舗で日々お部屋探しのお客様と接しているため、設備だけではなく、家賃・間取り・駅距離・募集条件なども含めて空室対策を考えます。
「宅配ボックスを付けるべき?」
「インターネット無料にした方がいい?」
「設備を交換するか家賃を見直すか迷っている」
「空室が続いている理由を知りたい」
という段階でも、まず現在の募集状況と周辺競合を整理することから始めてみましょう。
関連記事:「板橋区で空室が埋まらない理由|決まらない物件の共通点と改善策」
賃貸管理そのものを見直したい方は、家主様向けページ「管理は任せて、人生を楽しむ。」もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q.2026年の賃貸で人気の設備は何ですか?
最新調査では、高速インターネット無料、オートロック、インターネット無料、宅配ボックスなどが上位に入っています。また「ないと決まりにくい設備」ではエアコンが単身者・ファミリーとも上位です。ただし、調査対象や質問によって順位は異なるため、ランキングだけで導入設備を決めないことが重要です。
Q.単身者向け物件で優先したい設備は?
高速インターネット、オートロック・TVモニター付きインターホンなどの防犯設備、宅配ボックス、独立洗面台、浴室乾燥機などが候補になります。ただし家賃帯・築年数・周辺競合によって優先順位は変わります。
Q.ファミリー向け物件で人気の設備は?
オートロック、高速インターネット、宅配ボックス、追いだき機能、システムキッチンなどが最新ランキングの上位に入っています。収納量や水回りの使いやすさも含め、実際の生活を想定して比較することが大切です。
Q.設備を追加すれば家賃を上げられますか?
設備を追加しただけで必ず家賃を上げられるわけではありません。同じエリア・間取り・築年数・駅距離などの競合物件と比較し、設備追加後の物件がどの家賃帯で選ばれる可能性があるか確認して判断しましょう。
Q.インターネット無料は空室対策になりますか?
物件によっては比較材料になります。ただし現在は「無料」だけでなく、通信速度や建物内の配線方式、利用環境なども重要です。導入前にサービス内容や実際の利用条件を確認しましょう。
Q.古い物件ではどの設備から交換すべきですか?
築年数だけでは決められません。まずエアコンなど既存設備の年式・状態を確認し、そのうえで周辺の競合物件と比較します。「競合にはほぼ付いているのに自分の物件にはない設備」があれば、優先的に検討する方法があります。
Q.設備投資と家賃値下げはどちらを先に考えるべきですか?
先に空室の原因を確認しましょう。家賃が周辺相場から大きく外れている場合は条件見直しが必要かもしれません。一方、家賃は相場内でも設備面で競合より弱い場合は、設備改善が有効な可能性があります。「どちらを先にするか」ではなく「なぜ選ばれていないか」から考えることが重要です。
まとめ|人気設備ではなく「自分の物件に必要な設備」を選ぼう
2026年現在、賃貸設備では、
- ・エアコン
- ・高速インターネット・インターネット無料
- ・オートロック
- ・TVモニター付きインターホン
- ・宅配ボックス
- ・独立洗面台
- ・浴室換気乾燥機
- ・追いだき機能
- ・システムキッチン
などに注目できます。
ただし、人気ランキング上位だからといって、すべて導入する必要はありません。
設備投資で重要なのは、
「人気かどうか」ではなく、「その物件が選ばれるために必要かどうか」です。
単身者かファミリーか、家賃帯、築年数、立地、競合設備、空室期間、導入費・維持費などを確認し、費用対効果を考えて判断しましょう。
そして空室が続いている場合は、設備を追加する前に、
なぜ現在の物件が選ばれていないのか を確認することが、空室対策の第一歩です。
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